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#01-2 “SSS” ソーシャル・セパレーション・サービス

SNSはSSS “ソーシャル・セパレーション・サービス”へ

昔は「繋がる」のがとにかく良い事だとされていた、なんて嘘の様だ。かつてSNSというサービスを通じて出来たのは都合の良い共感と他者の排斥。 結果、異なる者同士は棲み分けるべき、との結論に至り、SNSはSSS(ソーシャル・セパレーション・サービス)へと進化を遂げた、と想念教育の本には書いてある。 共生したい者、争いたい者、見る専や承認亡者、属性の異なる者たちはそれぞれの世界に棲み、心境の変化によって最適な世界へ転生するサービス。 今から話すのは僕の転生の軌跡、住む世界は人の心持ち次第という物語だ。

かつての僕の話: その1「消費世界」

僕は想念教育の落ちこぼれで、およそ「自分の考え」と言うものに興味がなかった。 仮想世界では、AIが自動生成したコンテンツが流れてくるのを眺めているだけで十分楽しい。綺麗な絵や気の利いた話、面白いクイズ、ダンスや音楽、時事ネタのつぶやき。何でもアリで飽きることがないが、こんな毎日を過ごしているうちにふと思った。自分は一体何者で何のために居るんだろう、こんな呟きを生まれて初めて投稿してみた。

かつての僕の話:その3「闘争世界」

また世界の様子が変わって、自分が投稿した絵やコメントに賛否の嵐が起きた。否定する奴には反撃を、讃えてくれる人には好意を持って接した。 中に一人、自分と似た絵を描く奴がおり、憎らしいが実力を認めざるを得ない。研鑽し合ううちに、ライバルに対する尊敬が芽生えてきた。 ある投稿で僕は初めて負けを認め、ライバルの作品を讃えた。

かつての僕の話:その4「共創世界」

今度は平和な世界にやってきた。自分の作品やコメントに楽しいリレー創作をしてくれる、気の利いた人達。 僕も彼らを喜ばせたくてポジティブな創作リレーに勤しむ日々が続いた。楽しい時間は永久に続くかの様に思えたが、ある日ふと退屈になって、少し皮肉をした。 皮肉なリレーをされた人は怒らなかったが、リアクションもなかった。

今の僕の話:「混世界」

今は色んな人がいる世界に僕は暮らしている。見る専や承認亡者、反論厨、ポジティブな人、ネガティブな人。ここでの僕の振る舞いが次の転生先を決めるが、 結局同じ属性の人ばかりだから気が楽だ。次はどこに生まれ変わるのだろう。自分がずっといられる世界は何処なんだろう。