A2. 資源タバコミュニティ2050

何をリジェネレイトする?

人と人とのつながりの温度

その理由

社会との接点や関係が断たれた高齢者や若者の孤独死が社会問題になっているから。
また、地域での互助的なつながりが失われているから。

人と人とのつながりの変遷 ――― 過去・現在・未来

過去: 好景気と上昇志向

戦後、成長意欲と勤勉さ、団結力を重視する価値観が広まり、高度経済成長期には技術革新と経済成長への自信が高まった。
バブル時代には経済的豊かさと楽観的経済観が広まり、過剰な投資や消費が見られた。

現在: 格差と安定志向

バブル崩壊後、経済不安と反省から安定志向が高まり、リスク回避の傾向が強まる。
リーマンショック後、非正規雇用や過労死が増加し、 少子高齢化や経済格差が課題となる。

きざし: 癒しのスローライフ

デジタル化と環境問題への関心が高まり、柔軟な働き方やスローライフが浸透する。
地域コミュニティや相互支援の重要性が再認識され、 自然や趣味を楽しむ意識が広がる。

新しい世界観: 利他と共生

デジタル化が進行し、社会全体の幸福さを追求し、他者を思いやる行動が重要視される。
環境保護や持続可能な社会の実現に向けた取組みが進み、多様性を尊重し、調和の取れた社会が形成される。

人と人とのつながりの変遷 ――― タバコとの向き合い方

過去: 好景気と上昇志向

戦後、嗜好品の代表として広く普及していったのがタバコ。高度経済成長期には、タバコミュニケーションという言葉も生まれ、
広告やメディアを通じて喫煙が推奨された。しかし、バブル期には健康や受動喫煙が問題となり、タバコの評価は次第に低下していった。

現在: 格差と安定志向

バブル崩壊後以降、健康意識が高まり、たばこ税も上昇し、喫煙率は減少していった。
厳格な喫煙規制も導入され、公共の場は全面禁煙が標準となった。また、技術の進歩もあり、
紙巻きたばこよりも健康リスクに配慮した電子たばこや加熱式たばこの出現/普及も、タバコへの風当りは依然強く、社会的に嫌煙意識が広まっている。

きざし: 癒しのスローライフ

改正健康増進法により喫煙エリアが減少した結果、喫煙者は喫煙所難民となり、
路上喫煙やポイ捨てなどが問題になってきているが、喫煙所運営や、愛煙家や喫煙者をターゲットにする新たな事業も生まれている。

新しい世界観: 利他と共生

弱者救済や少数意見を尊重する多様性社会が成熟。これまで疎まれてきた喫煙者の権利も尊重され、
タバコミュニケーションの有用性も見直されてきている。また、少子高齢化による様々な社会問題も、
更なる技術革新も相まって、解決の糸口が見えてきている。

キャプション-1 愛煙家の夢

長い歴史の中で、機能性表示食品や糖質フリー、カロリーゼロ、等々、健康や人体に配慮した食品や画期的な薬剤が、技術革新によって生み出されてきた。煙草も同様に、健康リスクに配慮した電子たばこや加熱式たばこが開発されたが、十分なものではなかった。
しかし、2050年、ついに紙巻きたばこの主流煙/副流煙を無害化する超高性能フィルター技術が確立された。
この新技術は、ニコチンのデメリットである依存性などを排除し、効能だけを抽出することに成功した。
ドーパミンやアセチルコリンの分泌を促進する効能は、集中力や記憶力向上を促し、アルツハイマー型認知症予防やパーキンソン病への効果も確認された。その他、タールを出さず、無毒であるため、これまでの喫煙による健康リスクが解消され、喫煙自体が健康に良いものとなった。

キャプション-2 年齢制限撤廃

健康上の悪影響が無く、記憶力や集中力向上が期待されるものに、もはや、二十歳未満の年齢制限は不要となり、法律が改正され、
「たばこは二十歳になってから」は過去のものとなった。機能性の優れた嗜好品としてあらゆる年代に有用とされ、子供たちもごく自然にタバコをたしなむようになった。

キャプション-3 シン・タバコミュニケーション

煙行為の副次的効果として、リアルかつ何気ないコミュニケーションがあげられる。特に地域社会においては、少子高齢化が進行し、持続可能な地域社会においては日常からの地域住民のコミュニケーションが重要である。地域のいたるところに喫煙所が設けられ、人々が集い、喫煙をするようになり、老若男女、あらゆる世代の人々が繋がっていく。そこでは、自然発生的にゆるやかなコミュニケーションが生まれ、コミュニティが出現する。それは、新時代のタバコミュケーションである。