C1. ノマドマート
何をリジェネレイトする?
人と道具の関係性
その理由
人々が無責任な生産・消費と過剰な便利さの追求を手放し、その先にある暮らしへの移行を目指すため
日本における人と道具の関係性の変遷
限られた資源の中から作られた道具は、家族、地域の大切な資産であった。
衣類・家財は世代を超えて受け継がれ、修理・修繕を繰り返し、大切に使われていた。
製作や修理・修繕に必要な技術もまた家族や地域の職人に継承された。
経済性追求の結果、作り手と使い手は分けられ、過剰生産と大量消費が加速。
「生産者」が多様な製品を市場に投入し、それを「消費者」が過剰に消費するという構造が出来上がった。
次第に人は道具をただ都合の良い消耗品として捉え、その価値観は当たり前となった。
個人所有・個人主義から共同所有・共同体意識へ、また持続可能な生産と利用の模索から人々の意識変容の兆しを見ることができる。
地域コミュニティや相互支援の重要性が再認識され、 自然や趣味を楽しむ意識が広がる。
地球環境に配慮した生産体制の再構築や、持続可能な消費行動への関心が高まっている。
地球環境の維持のための法整備により、生産された道具には大切にされる権利が与えられる。
人は道具との関係性を長期的な視点で考え、生活を豊かにする大切なパートナーとして、不便益も楽しみつつ生活をしている。
人と人とのつながりの変遷 ――― 店舗のありかた
循環を担った道徳的商人
「勤勉」「正直」「時間に正確」これらは
日本の近代化、高度成長を支えた日本の商いの美徳として挙げられるものだ。
商店の経営者は、長期的な信頼のために、顧客と店の利益を常に考える勤勉な態度を商行為の基礎としていた。
巨大プラットフォーム
「便利」「効率」「安さ」重視の傾向が高まり、店舗は個人商店からデパート、さらに巨大ショッピングモールへと姿を変えた。
また、スマホの普及を皮切りにECが普及し、コロナ禍の巣篭もりによりEC市場が爆発的に拡大した。
コミュニティによる運営
地球環境の維持を命題に、限られたあらゆる資源を占有せず、共有資源として有効活用する動きが見られる。
お店のあり方としても、間借り店舗やオープンスペース、空家活用などが盛んになり、コミュニティベースでの運営・利活用が進んでいる。
消費を促さない店舗
地球環境の維持のための法整備が進み、道具にも無駄なく使われる権利が付与される。それにより、使い捨ての消費行動を促していた小売業は撤廃。
店舗は生産された限りある商品を、くまなく循環させる役割を担う存在へと代わっていく。